「旅と冒険」2008年5月号に今井さんの記事が掲載されています。その中から紹介します。

 『何がそうさせたかのか、はっきりしたものはありません。中学生のころから登山や冒険への興味を漠然と持っていました。未知の場所に行ってみたい、少しでも高い山に登ってみたいと云う好奇心が、高校時代のほとんどの休日を自転車旅行や山に向かわせることになりました。
 そのころの一番の印象的な旅は、一年生の夏休みに行った北海道一周自転車の旅です。函館から反時計周りに海岸線を走り、毎日100キロずつ走って再び函館に戻ってくるというその旅は、当時の僕にとって旅というより冒険でした。25日間、2400kmと云う時間と道のりは自分で何かを計画し、実行してやり遂げるということがどんなことなのかということを知らせてくれたような気がします』

・・と彼は述べています。私にとって高校生はもうかれこれ60年前の昔の話になります。その当時の私には自転車で北海道を走る・・なんて発想はありませんでした。時代が違う・・といえばそうですが、それだけではない何かがあるような気がします。
 たとえば親御さんから受け継いだDNAとか、身内の人、あるいは友人・知人の影響か・・。とにかく私はそんなところに興味が集まります。。

 彼が「山」でも「クライミング」に興味を持ったのは、「ソロ・単独登攀者 山野井泰史」と云う本だといます。その本の中には壁の途中に吊り下げられたポータレッジで寝泊まりしている写真、ロープをつけずにクライミングシューズとチョークパックだけで岩を登っている写真、また極北カナダやパタゴニアの山の写真など刺激的な写真がたくさん載っていて、彼もその影響で「垂直の世界への憧れ」が芽ばえてきた・・と云ってます。

 ところで彼は大学に入って山岳部に入学しましたが、ここの活動は縦走がメインで彼の目指しているものとは異なりました。そこで彼は即刻退部し、社会人山岳会に入会したそうです。
 垂直の世界に憧れていた彼は目標を立てました。それは「クライミングの聖地であるヨセミテに行きエル・キャピタンの岩壁を登る」というものです。その後彼は多くのクライミングを共にするよきパートナーに出会います。
 そしてついに2001年夏、念願のヨセミテに挑戦することになりました。詳しくは「旅と冒険」2008年5月号をご覧下さい。 

以下は今井考さんの山歴です。

1981年  0歳 愛知県生まれ
1997年 16歳 自転車で北海道を一周する。
1998年 17歳 大雪・十勝岳連峰縦走(単独)。
2000年 19歳 冬季御在所岳藤内壁3ルンゼをフリーソロ。
2001年 20歳 西伊豆海金剛「スーパーレイン」(単独)。
         谷川岳一の倉沢烏帽子奥壁南稜をフリーソロ。
         穂高・屏風岩「アウトロー」(単独)。
         ヨセミテ、ワシントンコラム「South face」、エルキャピタン
         「Lurkingfear」「Zodiac」「Lost in America」など。
2002年 21歳 ヨセミテ、ワシントンコラム「Prow」ワンデイ、ハーフドーム
         「Regular Northwest Face」ワンデイ、エルキャピタン「Zodiac」
         ワンデイなど。
2003年 22歳
2004年 23歳 パタゴニア、セロシュタンハルト、敗退。
2005年 24歳 ヨセミテ、ワシントンコラム「Skull Queen」ワンデイ。
         エルキャピタン「Tangerine Trip」24時間2分で登攀。
         ユタ州インディアンクリーク「Ruby’s Cafe」(5.13−)
         レッドポイント。
2006年 25歳 アメリカ・カナダの岩場を5ヶ月間かけて周る。
         ワイオミング州ビデブー、5.12までのワイドクラックをレッドポイン
         ト。カナダ・ブリティッシュコロンビア州バガブー、ノースハウザー
         「All Along The Watchtower」15時間で登攀。
2007年 26歳 パキスタン、ハイナブラック東岩塔(5600b、5.10A2 31ピッチ)
         アルパインスタイル第2登。

アメリカ大自然紀行


 「アウルルーフ」も「コズミックデブリ」もショートルートと呼ばれる短いルートなので、せいぜい15m〜20mです。
ですので、エルキャピタンやハーフドームのような長いルートではないので、登攀に何日もかかるというわけではありません。
 ただ、このルートはどちらもショートルートとしては、かなり難しい部類に入ります。どちらもヨセミテのクラッシックな難ルートとしてクライマーには知られています。

 クラーマーはこういった短いルートで自分の限界を押し上げて、エルキャピタンなどの長いルートに挑戦します。

■オートマン Oatman

■テーマソング ルート66
■NHKTV映画「ルート66」

■サンタモニカ Santa Monica

★LA County

★Meteor Crater

Santamonica
Venis Beach
Marina Del Rey
Beverly Hills
Hollywood
Universal Studios Hollywood

■ニユーベリー・スプリングス Newberry Springs

■セリグマン Seligman

■ウイリアムズ Williams

 ヨセミテのロッジで昼食をしていました。片隅で日本人らしき青年がPCを操作していました。トイレの行きがけにそっと覗いたら日本語ワープロを打っていました。「日本人の方?」と声をかけたら「そうです!」との返事。「ここで何してます?」「エル・キャピタンに登っています」「えっ????」そうなんです。ロック・クライマーの「今井 考」青年でした。

★Route 66

 彼は日本でアルバイトをして資金を稼ぎ、こうして世界中の岩壁にチャレンジしているそうです。彼のブログには著書名も掲載されています。こうして若い人達が世界を飛び回っていることに感動します。どうぞ、事故のないよう自分の夢にチャレンジして欲しいものです。若い彼に敬意を表して一頁を捧げます。
 グレードは「アウルルーフ」が12cです。12cというグレードは決して難しくなく中級レベルのグレードですが、このルートに関してはクライミングの内容が、ワイドクラックというかなり特殊なものとなるので、12cではありながらこれはワイドクラック最難クラスになります。
登れるクライマーもそんなに多くはありません。
 「コズミックデブリ」のグレードは13bと言われています。ジャミングと呼ばれる技術で登るショートルートの中ではおそらくヨセミテ最難だと思います。
 日本人では過去に5〜6人くらいは登っていると思われますが、いずれもその後日本のトップ、また世界のトップに立った名クライマーばかりです。


 彼に質問しました。「何が今井さんを突き動かしているの?」と。
彼は「いつもはっきりとした答えはみつけられない・・」と云ってます。私の見解ですが、存在とか認識とか達成とかに関わる哲学的体験であり、肉体的に非常に苦痛を伴いながら、創造主・造物主に限りなく近づく精神的な世界だ・・と!

 ヨセミテ ロック クライミング Yosemite Rock Climbing

Yosemite Rock Climbing

★アメリカ横断 MotorCycle Journey


 ヨセミテを初めて訪れたのは2001年夏のことだから、もう7年も前のことになる。2007年を省き、毎年ヨセミテを訪れ、気がつけば1年近くをこの地で過ごしたことになる。
毎年目標を決め、挑戦し、それが達成できる年もあればできない年もある。
 行く先々はヨセミテだけでなく、南米パタゴニア、カナダ、パキスタン、ヨーロッパなど魅力的な山や岩があればどこへでも行く。

 目標だったルートを完登し、自分の限界をまた一つ越えられたとき、大きな充足感と共に数日間は満たされた気分になれる。でもそんな平穏な時間は長くは続かず、大きな成果もすぐに過去の一つの通過点に思えてしまう。一つの目標ルートを完登すれば、さらにワンステップ難しいルートに挑戦したくなるのがクライマーの本能というものじゃないだろうか・・・。次はどこを登ろうかとかとか、もっと難しい山に登りたいとか、常日頃そんなことを考えながら生活しているのが好きなんだと思う。
 このような若い方が世界を駆け回っている・・、なんとも羨ましいかぎりです。事故のないよう好きなことにチャレンジして欲しいものです。

◆アメリカ大自然紀行トップページに戻る

★Petified Forest National Park

★Sedona

★Jerome

★Mariposa Glove

★Yosemite


Google による Yosemite Vally


大きな地図で見る

Yosemite Rock Climbingのこと

 今年の春、ヨセミテに2週間滞在し、「コズミックデブリ」と「アウルルーフ」という難ルートにトライした。どちらも初めてヨセミテを訪れた時からいつかは登りたいと思っていたルートだった。このルートにトライできるということだけでとても幸せだった。しかし、結果的にどちらのルートも完登できずに帰国することとなった。
不可能ではない。僕には登れる実力は十分あると感じつつも、ヨセミテを去らねばならなく、悔しい思いで日本に帰ってきた。

 どうしてそこまで熱中するのか、何がおもしろいのかとよく聞かれるが、一言で説明するのは難しく、いつもはっきりとした答えは見つけられない。
 
 9月からまたこの2本のルートの完登を目指してヨセミテに行く予定だ。

★Yosemite Rock Climbing

★Cars

★Others