浦安舟大工技術保存会 P12 

 そして上の写真のように鋸を入れていきます。このように横にして挽いて行く(横引きと云います)方法は関西から伝わったと云われています。そういえば昔の版画などで木を挽いている様子を目にしたことがありませんか?あれは木を斜めにして縦に挽いてますよね。林氏は横にして挽いていました。
 べか舟用の杉材は厚さ一寸二分五厘に墨だしし、挽いたのちの厚さは一寸一分五厘になったそうです。だいたい今回のようなメドオリ一丈と云う杉材は使わなかったそうで、通常は六から七尺だったそうです。これで最大10枚程度の板材が確保できたと云います。

 
 今回は製材のために二つに裁断するのが目的でしたから、全周ひとまわりの墨だしで済みました。ですが当時はその場で板材にするために、板材の分の墨だしをしたそうです。それは下記の図のようにです。

 
 これで墨だし完了で、挽きに入ります。
 ここからちょうど45度回転させます。
 

墨だし線

参考文献:1993年 浦安市教育委員会発行「浦安のベカ舟」
大工道具の写真は浦安市郷土博物館より借用

前号では片面の墨だしにとりかかるところまで紹介しました。

 勘兵衛さんが現役のころは墨だしは親方、つまり勘兵衛さん達がしていたそうです。材料をよく見て墨だしをしていたそうです。墨だし後、木挽きさんが挽いていたそうです。それぞれ決まった出入りの木挽きさんを抱えていました。浦安には2軒の木挽きさんがいました。

 前号で林氏は斧で皮を剥いでいましたが、当時は斧ではなくチョウナで剥いでいたようです。一間くらいづつ円周上に皮に切り込みを入れ、それからチョウナで剥いでいたそうです。比較的楽に剥げるのでおなご衆もやっていたと云います。

 前号の写真の皮を剥いでいる前段階として、木の元の部分(元・・と云います)にすでに墨が入っています。直径最大部を通る垂直な墨だしをしておきます。木の先端部(末口・・と云います)も同様に墨だしをしておきます。

 その上で前号の写真通りに皮を剥いで元と末口の墨だし部を結んで墨だしをします。それが二枚目の写真です。

 片面の墨だしをしたのち、木回しと云う道具を使って木を回転させます。今回は木が太かったので木回しは使えません。ジャッキでちょっとづつ回転させました。ちょうど180度回転させたところで皮を剥いで墨だしをします。

 

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