浦安舟大工技術保存会 P13 

 最後の残り20cmくらいでした。突然「バーンッ」と音がして上下の杉板が二つの割れました。多分クサビの影響だろうと思います。見ていた関係者は皆一様に「オッ」とか「アッ」とか声を上げましたが、木挽きのお二人は当然予測していたようで、そして何事もなかったように笑顔を見せました。
 このようにきわめてゆっくりしたテンポで交互に挽いていきます。考えてみますと約10mの長さの杉を挽くのに二日かかったわけですから、体力的にもこの程度のゆっくりした早さで挽いていかないととてもキツイ労働になることは間違い有りません。
 
 それにしてもよくぞ墨に沿って狂いもなく挽いていくものだっ・・と驚いてしまいます。
 上の写真を見ると判るように、親方が引いている時は弟子は鋸を押しています。このように交互に引いていくのです。この長さで丸二日ですから根気のいる仕事です。
 下の写真を見て下さい。もうすでに鋸で挽いたスキマにクサビを打ち込んでいます。つまりこうしてクサビを打ち込んでおかないと、杉の重さでスキマが少なくなり鋸が動かなくなるんです。
 この写真の杉の上にはいくつかのクサビが用意されています。これをところどころに打ち込んで作業をしやすくしているのです。当然元のほうはクサビの入る量、つまりスキマは多くなります。
 なるほど・・と感心しきりです。
 
弟子と二人で交互に挽きます。

参考文献:1993年 浦安市教育委員会発行「浦安のベカ舟」

 普通皆さんは木挽きと云うと、一丁の鋸を二人で挽いて行く・・とお思いでしょう。私もそう思っていました。ところが・・何とそうではなく、下の写真のように木挽き一人で一丁の鋸、つまり二人で二丁を交互に挽いて行くのです。

 驚きました!。思っていた方法とはまるで違ったのです。

 

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