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江戸しぐさの話し。

 つまり江戸しぐさとは大勢の人が気持ちよく暮らすために、 人間の人間への思いやりであり共生のマナーです。。

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● 江戸しぐさは商人しぐさ
江戸しぐさは、商人(あきんど)しぐさ、繁盛しぐさといわれました。具体的にいえば、江戸企業家同士および客に対する挨拶や、おつきあいのし方ということになります。特に異国(異文化、赤の他人)の人と出会った時、瞬間に表現する、交わす目付き、言葉と身のこなしで、人間関係を良好に保つための知恵でありパフォーマンス(江戸では体談といいました)です。江戸しぐさがきちんとこなせれば、人間関係が円滑にいき、商売が繁盛し、江戸も日本の国も平和を維持することができることは間違いないといわれました。

 江戸しぐさを身につけるため、江戸商人の稚児たちの寺子屋でのトレーニングは、「読み書きソロバン」ではなく、将来、人を使う身に必要な「見る、聞く、話す」に主眼が置かれました。江戸しぐさの究極は人物鑑定力、人物観察力、洞察力を身につけることが最重要項目だったからです。
 そのためのチェック項目は800項目(一説には8,000項目)もあったそうです。これだけ沢山の江戸しぐさをご披露することは無理ですが、21世紀に通じる、しぐさをいくつか紹介させていただきます。

 ■ 肩書きで人を見ない「三脱の教え」
江戸しぐさでは初対面の人に職業、学歴、年齢の三つ(地位、経歴、身分つまり肩書)を問うてはならないとされていました。このような情報、先入観が入ると、とかく人間はフィルターをかけて人を判断してしまいがちです。本当の人間を見る観察力や洞察力が曇ってしまうからなのです。現代でも一流校の出身であるとか、有名企業の社員というだけで簡単に人を信用してしまいがちです。このことを防ぐための知恵なのです。

 ■ 「おはよう」には、「おはよう」
「おはよう」と言われたら「おはよう」と答えればいいのですが、相手が丁寧に「おはようございます」と言ったら、こちらも「おはようございます」と同等の言葉で、答えなければいけませんでした。こちらが、たとえ上司であっても、「おはようございます」と言われたら、「おはよう」ではなく「おはようございます」と言わなければなりませんでした。人の上に立つ人こそ、相手を尊重し、決して偉ぶった態度やものの言い方をしてはいけないのです。江戸商人はどんな身分の人に対しても、失礼にならないものの言い方がしつけられていました。

■ 常に人を思いやれ
⇒傘かしげ・・・雨のしずくがかからないように、傘をかしげあって気配りして
  往来するしぐさ。
⇒肩引き・・・狭い道ですれ違うとき、肩を引き合って胸と胸を合わせる格好
  で通り過ぎるしぐさ。
⇒こぶし腰浮かせ・・・乗合い船で腰の両側にこぶしをついて軽く腰を浮か
  せ、少しずつ幅を詰めながら1人分の空間を作るしぐさ。

■三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる
      ・・・江戸の稚児の段階的養育法です。
⇒三歳までに人間の心の糸をしっかり張らせる。
⇒六歳までに躾を手取り足取りまねさせる。
⇒九歳までに人前でお世辞のひとつも言えるくらいの挨拶が出来るようにする。⇒十二歳には一家の主の代書が出来るようにする。
⇒十五歳で森羅万象が実感として理解できるようにする。


江戸しぐさのこと。

 最近、街を歩いていて気になることがあります。
  ◆私が歩道の端を歩いています。向こうから人が歩いてきます。

   のまま歩くとブツかるので更に端によりますが、相手はそのまま
   来てしまいます。ブツかりそうになってはじめてよけるんです。
   場合によっては肩が触れあうこともあります。
  ◆電車が駅についてしばらくしてから席を立って降車する人がいま
   す。もう乗車しはじめている人がいるのに・・
  ◆同じ電車内で、7人かけの座席に5人しか座っていなく、もうちょ
   っとづつ詰めればあと1人から2人は座れるのに・・
 なんて事が!!

 結構こんなことが日常茶飯事のように思えます。Dream Projectの皆さんはいかがですか?

 ここで最近TVのCFでもおなじみの「江戸しぐさ」について、越川禮子(こしかわれいこ)さんのHP・著書等から紹介します。
 越川禮子さんは1926年、東京生まれ。青山学院女子専門部家政科を卒業。1966年、女性スタッフのみで市場調査と商品企画などを手がけるインテリジェンス・サービスを設立し、代表取締役社長に。現在は社主。1986年、アメリカの老人問題を取材したドキュメント「グレイパンサー」が「潮賞ノンフィクション部門」の優秀賞を受賞。「江戸しぐさ語りべの会」を主宰、「江戸しぐさ」の普及に務め各地で講演活動を行っている。著書には、商人道「江戸しぐさ」の知恵袋(講談社)などがあります。

●江戸しぐさとは
江戸しぐさは上に立つ人のしぐさ、江戸しぐさは江戸商人のトップに立つ人、今でいえば経団連のような江戸の企業家たちの心構えだといわれてきました。つまり江戸商人のリーダーたちの考え方、生き方、口のきき方、表情から身のこなし方など、その美意識や感性すべてを包含し体系化した商人道ともいうべき生活哲学です。

 共倒れしない(江戸には共生という考えはあったが、言葉としてはなかった)ための江戸商人のライフスタイルであり、その根底には人間に対する深い思いやりの精神がありました。徳川時代268年の泰平の中で、将軍御用達の大手商人を筆頭に、一流の商人を目指して切磋琢磨した江戸商人の軌跡ともいえます。江戸商人には、よき物を仕入れそれを売る行為を通じ、お客様のため、広くは江戸のためになっているという自負心(プライド)がありました。結果として適正な利潤を最も合理的にあげていくための、しなやかなで、かつしたたかなハウツウでもあったのです。

 それは、ひらめき人間を養成するテクニック、発明を生むヒント、外交のマニュアル、健康を維持する秘訣、良いつれあいをみつける虎の巻、夫婦喧嘩をしないコツなど、つまり、手品でいえばタネや、しかけですから、江戸商人の末裔以外、門外不出であったのだそうです。文章にも残されていませんでした。そのため、江戸の続く限り、親から子へと代々、口伝で受け継がれた江戸しぐさは長い間未公開でした。

「指きりげんまん、死んだらごめん」。
人間の約束は必ず守るとされました。たとえ文章化されていない口約束でも絶対に守りました。「死んだらごめん」とは命にかけて約束を守るということなのです。