年をとると早寝早起きになると言われます。個人差はあるものの一般的な傾向なのだそうです。私は60代半ばですが、遅寝遅起きなんです。これってどうなのでしょうか?

 その前にまずレム睡眠とノンレム睡眠について説明して見ましょう。

 レム(REM: Rapid Eye Movement)は急速眼球運動と訳されます。レム睡眠の時は身体の姿勢を保つ筋肉の緊張がほとんどなくなりますが、まぶたの下で眼球が急速に動いている状態です。

 この時は脳も浅い睡眠状態だと云います。脳波は入眠期から軽睡眠期に似たパターンを示す。感覚刺激を与えても目覚めにくく,脈拍,呼吸,血圧など自律神経機能が不規則に変化します。この時期に眠りについている人を起こすと80%以上の人が夢を見ています。

 一方,ノンレム睡眠は脳が深く眠っている状態と考えられており、眠りの深さによって4段階に分けられています。浅い眠りから深い眠りへと進み、深さのピークを過ぎると今度は逆に深い眠りから浅い眠りとなり、そのあとレム睡眠へと移行する。なお居眠りはほとんどがノンレム睡眠で,少し居眠りするだけでも脳にとっては休息となるそうです。ノンレム睡眠の時は体温もわずかだが下がります。

 健康な成人ではノンレム睡眠とレム睡眠がセットになって約90分のサイクルを形成する。中でも寝入りばなの2セット、約3時間の間は特にノンレム睡眠の比率が高いのです。要は熟睡できていることになる訳です。
 この時に脳下垂体から成長ホルモンが放出される。この3時間の睡眠が特に重要だと云います。これ以降少しずつノンレム睡眠の比率が下がっていき、そして朝になって目覚めるのです。

 寝付きが良く、ノンレム睡眠の比率が高い人は睡眠時間が短くてもすっきりと起きられます。そうして6時間未満しか寝ない人を短眠者と呼びます。一方寝付きが悪く、ノンレム睡眠の比率が低い人は寝床にいくらいてもスッキリしません。寝床で9時間以上過ごす人を長眠者と呼びます。
 短眠者、長眠者のいずれも人口の5〜10%ほどいると云います。

 早起きは早寝が原因なのです。脳が老化し覚醒の持続力が無くなるのです。ですが年令による睡眠の差はどうして生じるのでしょうか。新生児などは脳が未発達のため,眠りそのもの未成熟のため1日の大半を眠って過ごします。この時の睡眠は「動睡眠」と呼ばれ,これがいずれレム睡眠となります。この眠りが脳の発育に必要なのです。そのうちにノンレム睡眠に分化する「静睡眠」が現れ、しだいに割合を増やします。1回の眠りは浅く40〜60分です。

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 2歳を過ぎた頃から大人の睡眠リズムに似た脳波の動きをするようになります。また体内時計も出来上がり、1日のリズムができてきます。少しずつ睡眠時間が長くなり、この頃にはレム睡眠の比率が劇的に低くなります。幼児期から学齢期が人生で一番、熟睡できる時期だと云います。この頃は睡眠圧(いわゆる眠気)が強いので、容易に熟睡できるし熟睡時間も長くなります。

 青年期に入ると,学校や学業,仕事などにより十分な睡眠時間が取れなくなります。睡眠時間が少なくなり、量が足りない分を内容で補おうとする、“埋め合わせ”機能が発揮され,より熟睡できるようになります。

 ところが中高年期になると脳の機能が弱まり、覚醒と睡眠のいずれでもその状態を持続できなくなってきます。覚醒が持続できないので,早い時間に眠くなる訳です。ところが早い時間に寝付いても,睡眠圧が弱いため、眠り続けることができず朝早く目覚めてしまうことになります。その結果覚醒を続けることができず、さらに早く寝付くという循環になってしまいます。これが早寝早起きになってしまうサイクルなんです。
・・と云うことは私は脳の機能が弱まっていないと云うことかしら?

 早寝早起きだからといって高齢者の睡眠時間が少なくても良い訳ではないのです。睡眠と覚醒のリズムを確保し、熟睡を得ることが重要です。
睡眠リズムの修正には昼寝しても良いと云います。すっきりした目覚めを得るには,朝早く起きたら太陽の光を浴びること。これで体が覚醒します。その上で体を動かし朝食を食べること。これで体温が上昇し脳の覚醒レベルを高められます。

 上質な眠りを得るためには睡眠環境にも気を使いたいものです。音・光・暑さ・湿度・匂いなどによって、個々人の眠りに対する適当な条件が異なるからです。夫婦でも違うケースが多くなかなか厄介です。

 寝具も重要です。特に眠りの鍵を握るのは枕でしょう。良い枕の条件は寝た時に、立っている時と同じ姿勢を維持できること。頭・首・背中などが立っている時と同じ位置で配置されると良いのです。その姿勢になるように敷き布団と首から頭にかけてのすき間を埋めるのが枕の役割です。枕が高いと後頭部が上がってのど元がつまり、いびきや肩こり、首の痛みなどを引き起こします。逆に低すぎたりしなかったりすると、あごが上がって口呼吸になったり、首の支えがないことにより首の痛みや肩こりの原因となります。

 睡眠中は数十回も寝返りをうつので、その動きに合わせられるよう、あお向けと横向けに対応できるものを選びます。あお向けの時は首筋が伸びて、顔がやや傾く程度が理想的だと云います。


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中高年の早寝早起きの話し。

 人生のほぼ1/3は睡眠時間です。お陰様で私は今のところグッスリ寝れています。有り難いことです!


中高年の早寝早起きのこと。