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遠くから聞こえた音の話し

What's New P8

 上の写真は今回の震源地に近いアマンジオホテルから、真ん中の向こうにボロブドールが見えます。被害にあってなければいいのですが!

 噴煙は70〜80kmの上空に達し、軽石や火山灰は約827,000平方kmの範囲を覆い、厚いところでは100mも堆積したと云います。
 微細な灰は東よりの風にのり、約12日で地球を一周、世界各地で夕焼け、朝焼けのさいに異常な現象をあらわしました。
1991年にフィリピンのピナツボ火山が爆発したさい、同じような夕焼けを富士山を背景とした写真を撮影し、12月にUpdateしたHPに掲載しています。

 実はその時のクラカタウの爆発音が大変遠くまで到達したと云う記録があります。この爆発音は当時日本の各地に出来始めた気象台に記録が残っているし、いろいろな人の日記の中に「今日は大きな音がした」というような形で記録が残っていると云われています。これは5863km離れた東京で1.45hPaの気圧上昇が記録されていることから判ります。また津波が何と日本では鹿児島市の甲突川にも押し寄せた記録があります。

 こうした記録をたどっていくと音がどこまで到達したかが判ります。
 資料によると島の北西方向ではマレー半島を通り、ベンガル湾からインドを横切りアラビア海を抜け、パキスタン、イランにまで伝わった記録があります。又、西の方向ではケニアのナイロビとかモンパサの人々もその爆発音を聞いたということ。さらにマダガスカルの首都のタナナブリの図書館にもその音を聞いたという事実が記録されていると云います。

 音は東方にも伝わりましたが、記録する方法、人がいなかったかでその記録が残っていません。東南の方角ではオーストラリア大陸の中央付近にあるアリス・スプリングズと云う町にその記録が残っています。もとよりその音が聞こえた時はこれがクラカタウ火山の爆発音であるとは誰も思いません。
 何か判らないが、大きな音がしたと云う記録がところどころに見られる訳です。そこで音が届いたと云うマダガスカルまでの距離は約6千kmとなります。「まさか、そんなに遠くまで‥」と思いますが事実そこまで聞こえたことになるわけで驚き以外にありません。音だから風向きや遮蔽物との関係もあるでしょう。海の上、遮蔽物の少ない大陸、等々障害物のない爆発音の旅であったと思います。

 日常の生活の中でどれ位遠くの音を聞いたことがありますか?
 飛行機の音を聞く機会があると思います。10000m以上の上空を飛ぶことが多いんですが音は聞こえます。10kmの距離です。遠くでパトカーのサイレンが聞こえます。せいぜい1〜2kmの距離でしょう。私の自宅からディズニーランドの花火の音が聞こえますがこれもせいぜい4kmです。

 ところで世界的にみて最も離れた距離で音を聞いた記録があるそうです。1883年(明治16年)、インドネシアにあるクラカタウ火山が爆発した時の記録です。
この島はジャワ、スマトラ両島間のスンダ海峡中に位置していた島で1000m位の火山があり、そこには千人以上の人々が農耕と牧畜と漁業で暮らしていました。火山の裾野に森が広がり、林があり、沃野が開けていました。その島が三日間揺れ続けた後、大爆発を起こして消し飛んでしまったのです。
 もとより人間は全部死んでしまったし、家畜もあとかともなく死んでしまったのです。何もなくなるくらいのものすごい爆発だったと云います。ちょうど日本で云うと八丈島位の大きさの島が爆発であっと云う間にたちまち消えてしまったと云うことなんですね。
 
 実は1680年に爆発して多量の火山礫を放出し、その後200年間は休止していました。そして近世火山噴火史上最大と云われる大爆発が起こったのです。
その詳細を調べてみました。
 1877年から地震がひんぱんに起こりはじめ、1883年5月20日に大爆発が起こりました。その後8月26日から再び活動が激しくなって、28日朝まで最も激しい爆発が起こりました。
 はじめ島の中央の火山がドカンと噴火による爆発で消し飛んでしまうと、そこに大きな穴があくわけで、その穴に残った島の部分が崩れ落ちて飲み込まれてしまうのです。大地が噴きあがるのと、それによって出来る巨大な穴に飲み込まれる二つの現象で島そのものがなくなったのです。
 もともとまわりが海だから、島がなくなれば海になってしまいます。わずかに海面に残った岩礁に波が寄せると云う非常に驚くべき大爆発があったのです。    
                 

 実はこれは音だけでなく、爆発による気圧の波はクラカタウから全方向に広がり、地球上の対称点(私の調べによると、南米コロンビアのメデリン近辺)に集まって再び元の地点に戻る現象を4回(7回説あり)繰り返したと云います。
 尚、スンダ海峡沿岸では高さ30mの大津波が襲来してジャワでは36,000人の死者が発生したとのことだ。いずれにしてもこれ程遠くの音を聞く機会はないでしょう。
参考
  [ クラカタウ  東経 105°27′南緯   6°14′]

 インド洋大津波を引き起こした2004年12月のスマトラ島沖地震は、スマトラ島とかジャワ島の乗っているユーラシアプレートの下にインド・オーストラリアプレートが潜り込み、地下深くでぶつかり合うプレート同士が耐えきれずにズレて発生する「海溝型」地震でした。
 今回の5/28早朝の地震はユーラシアプレート内部の断層のズレで発生したとみられています。インドネシアは日本に並ぶ地震大国です。
 ですからシロウト考えですが、このクラカタウの話しはユーラシアプレート内部のマグマが上昇し大爆発を引き起こしたのだろうと思います。

遠くに伝わった音の話し。