月の生成のこと

 

 地球と火星の間に「オルフェウス」と云う地球の半分ほどの惑星がありました。このオルフェウスの軌道と地球の軌道が交錯し、2つの惑星が衝突したと云う説です。この衝突はゆっくりと地球にめり込み、10分後にはオルフェウスはこなごなになり、地球も部分的に破壊されます。その1時間後にはオルフェウスと地球の一部が宇宙空間に飛び散り、その一部は地球に降り積もりました。そして蒸気の雲も大量に宇宙に噴出します。この蒸気の量は今の地球の水と同量程度の量です。この蒸気が大量の物質を軌道上に送り込みます。
 しかし軌道上に送り込まれても土星の場合、あの輪は土星に近すぎて衛星になれませんでした。衛星が形成出来る限界が「ロッシュ半径」と云われているものです。それより内側の物質は除々に惑星に落下していくからです。オルフェウスが正面衝突であったなら月は形成されなかったでしょう。チリが形成されてもロッシュ半径内なので地球上に落下します。場合によっては衝突後2つの月が形成されたかもしれません。数万年はそのまま安定していたはずですが、最後は地球に落下するか月同士の衝突で存在は難しかったと思われます。

 

月は地球が捉えた惑星と云う説がありますが、月を捉えるには余りにも月が大き過ぎると云われます。又、高速で回転する原始地球の一部がちぎれて月になったと云う説もありますが、これは物理的に説明がつかないと云われています。アポロは合計380Kgの月の岩石を持ち帰えりました。色々調査しましたがジェネシス・ロック、 つまり創生期の岩石ではなかったのです。数十億年の間に月面の最古の岩石は破壊されてしまったのだろうと推測されます。
 
 ではどのようにして月は作られたのでしょうか?。次のような考え方が有力になっています。45億年前火星ほどの惑星が地球に衝突したと云う説です。巨大なエネルギーで70兆トンもの 岩石が宇宙に投げ出されました。その破片が集まって溶岩のような固まりとなり、やがて月は冷却していきました。具体的には次のような説が有利です。ジャイアントインパクトと云います。

 かなり中心を外れた衝突の場合、つまり衝突するかしないかの角度だと大量の物質が軌道上に乗ることが様々な実験とシュミレーションで判明しました。オルフェウスは部分的に破壊され、地球から遠ざかりながら破片が合体し、そして地球に再衝突するのです。この衝突の開始から終了まで一日から二日ほどかかったと推測されます。このようにして形成された月の位置はロッシュ半径(この場合は地球の半径の2.44倍)の外側で、地球からおよそ20万Kmの距離で、周りのチリを集めて100年程度で月は急速に成長します。当時の地球から眺める月は相当巨大に見えたでしょう。現在の地球からの距離384,403Kmです。 
 但しこれは地球の中心から月の中心までの距離です。しかも月の軌道は楕円なので最大21,104Km増減します。こんな距離の位置に月があったとは想像し難いですね。月の引力は現在の4000倍もありました。   

What's New P1

 
 太陽系にはさまざまな衛星があります。引力の関係で400トンの岩を持ち上げられる衛星、液体の 天然ガスをたたえる湖を持った衛星、地球のすべての火山を集めたよりも巨大な火山を持った衛星たちです。 太陽系には現在判っているだけで95の衛星があり、現在もぞくぞくと新しい衛星が発見されています。エベレストより高く吹き出す 間欠泉、グランドキャニオンの8倍の深い渓谷、両腕ではばたくだけで飛べる世界等々、様々な衛星が判っています。
 
 
土星は地球の800倍もの大きなガスの固まりで、大きな輪を持っていることは知られています。この輪は衛星の墓場と云われています。大昔に破壊された衛星の破片が集まって土星の周りを回っているのです。輪の113万キロ外側に土星最大の衛星タイタンがあります。去年だけで20の新しい衛星が見つかりました。近年例のないことです。地球に最も近い衛星、「月」が今回のテーマです。クレーターの存在は月から木星の衛星カリストまで、どの衛星にも見られます。これは衛星を守る大気が存在せず、隕石が容赦なく降り注いだ結果なのです。NASAの研究所では長さ6メートルの大砲でクレーターを作る実験をしています。これは特殊な大砲で超音速の弾を発射出来ます。この大砲から発射される弾の速度は音速の20倍と云います。
 秒速6.4Kmの小さな弾を発射して的の割れ方を見るのです。つまり弾を小惑星と見なして衛星との衝突を実験する訳です。クレーター誕生の実験です。大砲の角度を変えて様々な的を撃ってみます。比較的大きな単一の衛星を持つのは地球だけです。地球と月が同時に作られたのであれば月にも鉄の核があるはずですがしかし事実は異なります

 6500万年前にメキシコのユカタン半島に衝突した小惑星は、多くの生物を滅ぼしたことはご存じだと思います。地球は「奇跡の惑星」と呼ばれています。それは大きさと云い、太陽からの距離と云いまさに奇跡的な位置にあるからだと云われています。それと太陽系の重い惑星の木星と土星の二つが地球に大きな影響を与えているようです。つまりこの二つの重い惑星が、地球に衝突する微惑星のバリアーとなっていることなのです。
 地球に衝突しようとする微惑星が、大きな引力に引かれて木星とか土星に衝突してしまうのです。同じように月もまた地球の盾として、微惑星の衝突を未然に防いでいるのです。月はだんだん遠ざかり微惑星の盾になる確立は次第に減少していくのでしょう。ところで、太陽に対して月を「太陰」と呼ばれるのを知っていますでしょうか。
 勿論私も知りませんでした。
 
 色々述べましたが、好奇心を持てば身の回りに沢山の情報があります。話が変わりますが大橋の還暦の祝いに子供達が何と反射式の天体望遠鏡をプレゼントしてくれました。買いたくても買えませんでしたが有り難いことです。コンピーターコントロールの優れモノで、この時期空気中の水分が多いのであまりよく見えませんが、この原稿を書き上げた時に月を覗いてみます。多分太陽光線を反射して白く輝く月に親近感を感じ、また感謝の念を抱くことでしょう。                  
                                     完
 

 もし月が出来ていなかったら地球は今のものとは大きく異なった別世界であったと思われます。月が出来る前の地球は小惑星などの衝突で完全に破壊されていました。太陽がなかったらもちろん地球も生命も存在しませんでした。
 しかしもし月がなかったら地球は存在しても陸上の生物は居なかっただろうと云われています。では何故そのようになるかを探ってみましょう。月の引力は地球の自転軸の傾きを23度に保っています。例えば衛星を持たない火星は傾きが大きく変化し、数百万年の間にあらゆる角度に変化する
ことが知られています。自転軸が変化することは気候が激変することです。地球でも同じで月がなかったら自転軸が0度〜90度までゆれ動き、気候が激変します。
 自転軸が1度未満でズレても大きな影響があると云われています。人類の歴史がたかだか400〜500万年と云われているので、この間自転軸が0度〜90度まで変化し気候が激変したならば、人類は生き続けてはいられなかったでしょう。月が地球上の生物に与える影響は大きいようです。
 例えば‥
 @29日半という月の公転周期は女性の月経に影響を与 
  えています。
 A珊瑚の産卵、海亀の産卵にも大きな影響があります。

  最近時は三宅島の噴火が月の影響を受けているらしいとの報道もありました。月は地球上の生物の繁殖をコントロールしています。月が潮を操り、潮が習慣を決めます。この他にもフランスのワイン生産者は満月に収穫し、月の影響の最も少ない新月に上澄みをすくうそうです。これは沈殿物が落ち着くからです。このように月は生物を支配しているのです。また満月時は犯罪が多く発生すると云う新しい研究もあります。

 

 前号で月の誕生時の地球との距離を20万kmと記したが、どうやら間違いのようで2万kmが正しいようです。ちなみに月の半径(赤道上)は1738Kmです。しかし楕円なので南北で約0.8Km短く赤道上で0.5Km長いのです。地球の半径の27.23%に当たり、表面積は7.4%、体積は2.0%です。全太陽系で衛星が惑星に対してこのような大きな比を示す体系は他に存在しません。大げさに云うと二重惑星と呼んでもいい位です。

 このようにして月が形成されたのですが、潮汐作用で月が遠ざかっていくにつれ、地球の自転速度は形成時の4時間が24時間に伸びました。自転速度が遅くなったことで更に月は後退し続けます。アポロの宇宙飛行士は月面に反射鏡を置いてきました。これにレーザー光線を反射させ月と地球の距離を測定します。これによると約4cm/年開いていく事が判かりました。でもDream Projectをご覧の皆さんは心配することはありません。たかだか10年で40cm、100年で4m、1000年で40mです。

 
 

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